日本刀はつくられた年代によって呼び名が異なります。上古刀・古刀・新刀・新々刀・現代刀と呼ばれています。時代区分と特徴をみていきましょう。
①上古刀は平安時代 (741~1185年)中期以前のものです。 刀身に反りのない直刀であるのが特徴で、中国大陸からの舶来、または大陸や朝鮮半島の技術を輸入して国内で鍛造された。と言われている。
②古刀は平安時代中期以降から江戸時代の慶長年間 (1596~11615年)までのものです。このころの歴史的背景として武士の誕生と合戦の増加があります。そのため、刀身の反りのあるほうが物を断ち切るのに実用的であると判断され、刀身に反りを持たせた湾刀が主流となりました。
③新刀は慶長年間から明和年間 (1764~1772年)までのもです。このころは刀が実戦で使われる機会がなくなったので、反りが少なく華美な様式が主流となりました。
④新々刀は明和年間から明治9(1876 )年までのものです。刀工・水心子正秀の復古新刀論の提唱と幕末維新の激動によって、実戦向きの反りのあるスタイルが再び主流となりました。
⑤現代刀は明治9年から現代までの刀です。明治9年に「廃刀令」が発令され、軍人・警察官の制服着用時を以外は、すべての人が日常的に日本刀を身に着けることが禁止されました。しかし、所有することは認められていました。
日本刀は武士の思いを語り継ぐものとも言われております。それぞれの武将によって、こだわりの刀があり、受け継がれてきたエピソードが多くあります。武士にとって、刀は無くてはならないものでしたし、人生そのものをかけていたものと言えるでしょう。また、先述しておりましたが、日本刀は武器としてだけでなく美術品としても扱われてきました。日本刀のカーブが平仮名の美しいカーブと共鳴していると言われており、これも日本刀の魅力の一つと言えるでしょう。